尿石症
尿石症とは
尿の中に含まれるミネラル成分が固まってしまい、おしっこの通り道のどこにでも、石状の塊ができる病気です。
「石状の塊」と聞くと、大きな塊を想像されるかもしれませんが、実は目には見えないような細かい結晶成分が尿中に出ている場合があります。尿石症はこの段階から始まっており、この小さな結晶がやがて大きくなることで、さまざまな症状を引き起こします。
結石はどこにできる?
結石ができる場所によって、その名前は変わります。腎臓なら腎結石、腎臓から膀胱へ続く尿管なら尿管結石、おしっこを溜める膀胱なら膀胱結石、膀胱から体の外に出る管の中なら尿道結石と呼ばれます。
結石の種類
結石は何が固まってできたかによって、いくつかの種類に分類されます。
・ストルバイト結石
・シュウ酸カルシウム結石
・尿酸塩結石
・シスチン結石
・シリカ結石
など
主な原因
猫に多い尿石症では、ストルバイト結石、シュウ酸カルシウム結石が多く見られます。
ストルバイト結石
細菌感染による膀胱炎や、食事の影響で尿がアルカリ性に傾くと、ストルバイト結石ができやすくなります。
シュウ酸カルシウム結石
尿が酸性に傾くと、シュウ酸カルシウム結石ができやすくなります。こちらは遺伝的な要因や、特定の食事が関係していることがあります。
このどちらの結石も共通して、以下のような生活習慣が結石を発生させる要因になります。
水分不足により尿が濃くなる:
生活環境の変化によるストレスなどで水分をあまり飲まなくなると、おしっこが濃くなり、ミネラル成分が固まりやすくなります。
排尿回数が減少する:
トイレの材質が変わった、汚れている、あるいはトイレの場所が気に入らないなどの理由で、おしっこを我慢する回数が増えることも原因の一つです。
主な症状
症状の初期には、頻尿や血尿、何度も排尿姿勢になるなどの症状がみられます。結石や結晶が膀胱や尿道を刺激して痛みがあると、元気や食欲がなくなることもあります。判断が難しいため、便秘と勘違いされる飼い主さんもいらっしゃいます。
命に関わる危険な状態(閉塞)になることも
結石が尿管や尿道を完全に塞いでしまうと尿管閉塞や尿道閉塞を引き起こし、おしっこが体外に出せなくなり、腎不全に急発展してしまう場合もあります。
診断と治療法
尿検査を行い、血尿や細菌感染の有無、結晶が出ている場合はその種類などを調べます。大きな結石は、お腹のレントゲン検査やエコー検査で確認します。
治療について
(1)内科治療
抗生剤の処方:細菌感染が関与している場合に投与します。
食事療法:結石ができにくくなるように、あるいは結石を溶かすために特別療法食を与えます。基本的に、ストルバイト結石は特別療法食で溶かすことができます。
サプリメント:尿の成分を整えたり、排尿をスムーズにするために与えることがあります。
(2)外科治療
結石が大きい場合や、閉塞(おしっこを出せない状態)を起こしている場合は、緊急性が高いため、手術で結石を取り除くことがあります。また、治療により結石を除去できた場合でも、尿石症は再発しやすい病気のため注意が必要です。再発を防ぐためには、定期的に尿検査を行ったり、特別療法食やサプリメントを継続することもあります。
